変体仮名31・いろは歌「け」

現在の「平がな」の「け」は漢字の「計」から出来たものです。

他によく使用されている「変体がな」は「介・遣・希・氣」などがあります。

それぞれ古筆でどんな風に使われているか集めてみました。

番号順にフリガナを付けると

①「たちけり」　「多ちける」

②「ろかりける」　「ろ可利介る」

③「たちける」　「多ち介る」

④「さける」　「さ遣留」

⑤「けりつれ」　「希利つれ」

⑥「きにける」　「起尓氣留」

前後の文字とのバランスをそれぞれどのようにとっているのか

確認しながら見ておくと創作のときに役立ちます。

文字の大小、間隔、傾き、線の太細、形（縦長、横長、正方形）、行の揺れ

などの関係性を関連づけていくと連綿の構成につながります。

こういうことはワザワザやらなくても読み書きを繰り返せば、感覚として

自然にわかってくるものですが理屈がわかってから練習すれば

マスターするまでのスピードが圧倒的に速いです。

また、感覚的なものは、暫くやらずにいると忘れてしまって分からなくなる恐れがあるが

理屈がわかっていれば、一度忘れても直ぐにもとのレベルまで戻せます。

いずれにせよ大切なことは「いかに楽しくやるか」です。

脳と時間は「いかに楽しく」に使ってください。

何度も言ってますが、受験勉強と同じです。

出典は、 ①③高野切第一種 ②関戸本古今集

④深窓秘抄 ⑤⑥粘葉本和漢朗詠集