古筆臨書のすすめ2

古筆というのは元々は巻物が多く
「~切」とは、その断簡のことです。

現代の手紙や葉書サイズになります。

書画の展覧会へ行ったこと ありますか?

書の漢字作品などは、壁一面に
一~二畳サイズもあり迫力満点です。

一方、仮名の古筆サイズだと文字が小さく 
手に取って見る、というわけにいかないし

ガラスケースの中に並べてあっても
中々じっくりと鑑賞しづらい。

展示方法に困ってしまいます。

漢字のように大きな紙に書けばいいか
というと、そこでまた問題が起こるのです。

残念ながら、お手本となる古筆は、
手紙サイズだから素晴らしいのであって
そのまま拡大してもダメでなんです。

古筆の王者「高野切第一種」でさえ
少し間抜けな感じになってしまいます。

小さな紙面に書くと大きな紙面に書く
この違いはなんでしょうか?

それは、文字や空間の大小
線の太い細い、潤渇の差など
表現の幅が格段に増えることです。

初期の仮名は、画数が少なく
抑揚の少ないすっきりした線で

書かれていることから
改良点を見いだせそうです。

例えば

形の異なる変体仮名を使用し
紙面全体のバランスを整える。

漢字を混ぜることにより
文字の画数を増やし変化をつける。

側筆を使い線にボリューム感を出す。
(太い・細い箇所のギャップを楽しむ)

行・草書の練習を思い出してみる。
(仮名の元である真名(漢字)で
 線や文字構成を学んでみる。)

文字が大きくなるほど増える表現の幅を
活かして作品の細部まで変化をつけるということ

色々ためしてください。

発見があると楽しいですよ。

写真は、大字かなを書くにあたって
臨書で学ぶ古筆なら「これがいい」
と先生が教えてくれた

和泉式部続集切」伝藤原行成筆です。

さて、どんなヒントがあるでしょう。

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